キミが好きなのは俺

「……っ…。」




向き合いたくなくて



分かってはいるけど箱の中に閉まってふたをして




自分の気持ちを優先しようとしていた。





でも多分



今日の優くんの様子は




こういうことを表していたんだよね。





優くんは




私と話したくないから



これ以上私と同じ空間に、近くに居たくないから




だからああいう行動を取ったんだよね。






もしあの日…。





『今、陽菜ちゃんはどんな気持ち?』




優くんが




真剣な表情で


熱い眼差しで



私の気持ちを確かめようとしたあの日。






『…いい加減認めなよ、陽菜ちゃんは俺が好きなんだって…。』




私は何も答えられなくて



優くんに苦しそうな、辛そうな表情をさせてしまったあの日。





私が優くんの質問にちゃんと答えられていたら



あの場で伝えることができていれば





何か変わっていたのかな…?






今日とは違う今日に、なっていたのかな。
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