キミが好きなのは俺
その車は、私の近くで停まると、
運転席の窓を開け、
「陽菜、お待たせ。
後ろに乗ってくれ。」
窓から顔を出したかずさんが声をかけてくれた。
かずさんの車はかわいらしいコンパクトカー。
何度か乗せてもらったことがあるけど、
意外と中は広くて快適だった。
「お願いします。」
そう言って、後ろの扉を開けて車に乗り込む。
後ろの座席には、すでにかずさんが用意してくれていた、
お菓子や飲み物、紙のお皿や割りばしなど
お花見グッズが置いてあった。