キミが好きなのは俺
「・・・30秒かかってるぞ。
20秒も遅刻だな。」
かずさんは、白シャツの似合うお兄さんに話しかける。
「そんなに細かいこと言うなよ。
これでも急いで出てきたんだからさ。」
かずさんと比べると、声は少し高くて、優しい感じ。
最初の、お兄さん、ってイメージにぴったりの声だな。
そんなことを思っていると、
白シャツの似合うお兄さんは振り返って、私の方を見て、
「初めまして。
おれ、須藤健一(すどうけんいち)って、言います。
陽菜ちゃん…だよね?
お待たせしちゃって本当にごめんね。
今日は、よろしくね。」
丁寧にあいさつをしてくれた。