キミが好きなのは俺
・・・あ…、あ…、
初めて、
男の人に頭ポンポンされた。
しかも、あんなにも自然に。
私は、初めての頭ポンポンに、
心臓はどんどん早く動いていく一方で、
時が止まってしまったように体が動かせなかった。
「行こう、陽菜ちゃん?
そんなところにいつまでも立っていると、
置いて行っちゃうよ。」
健一さんはそのまま微笑みながら私にそう言ったけど、
「…健一さんがそんなことするからだよ。」
届かないくらい小さな声で私はそうつぶやいた。
・・・とりあえず、歩こう。
なんとか足を動かして、数歩前を歩くかずさんと健一さんを追いかける。