想い ~それぞれの気持ち~




「ちょっと筆箱とってくる。」


放課後の教室、


私たち以外に人はいなくて。


お互いの吐息も聞こえるんじゃないかってくらいの静けさ。


翔が戻ってきて作業を開始しようとしたとき、


「そーいえばさ、さくらの好きな人ってどんな人?」


?!


急だな……


いや、たしかに前そんなこと言ったけどさ。


今は忘れてて欲しかったなぁ…


「たぶんね、もうその人のこと好きじゃないかなって」


正直に伝えた。


「なんかさ、ずっと会ってないし離してもないから気持ちが薄れてるのかなみたいな?」


そういう私の話を翔は黙って聞いていた。


「しょ、う?」


ビクッと肩を震わせた翔と目が合う。


「あ、ごめん。ぼーっとしてた。」


聞いてきたのそっちのくせになぁー。


でもね、今はその方が好都合かな?


だってそれに対してなんか言われても何も言えないから。


まだはっきりしてないからさ?






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