その声を求めて

私達








―――――私の彼氏、今野 司は、

世間一般的に言えば年上彼氏に分類される。





今年20歳になる私より、9歳も上の
今年で29歳になる、司君。



一般中小企業の会社員で、
現在は関東で一人暮らし。



大学生時代には、留学経験のある
理系なのに英語も出来るある意味凄い人。




容姿も端麗な努力家で、人当たり良し世渡り上手。

天然の人垂らしと友人から言われてるらしい…。




だけど、優しくて包容力もあり、
漫画や小節にある束縛とか特に無し。




ある程度自由にしてくれるが、
ダメな時はさり気なく教え、諭してくれる。





そんな、絵にも描いたような素敵彼氏が
この人で、私の彼氏とは世も末だと思う。







「菜月、おいで」




「ん…」







着いたホテルのルームキーを開けてすぐ、
各自で荷物整理した私達。




早朝から電車、新幹線を乗り継いで来た私は寝不足で、
それを知る彼は、ベッドに腰掛けると私を呼んだ。




当たり前のように
広げられるその腕。




優しい声で紡がれ、
見つめられるその視線。




何ヶ月も我慢し、
待ち望んだこの瞬間。






唯一、私が安心出来る

その腕の中。






照れながらも、私は迷いなく
その温もりに飛び込んだ。






君の穏やかに笑う声が耳元で
柔く、淡く、響いて落ちた――…。



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