理由は聞かない
「県道の角のコンビニって分かる?」
「分かりますけど…一体何なんですか?」
「あ…遅いけどさ、これから暇?」
「え?うん、まあ…って、ちょっ…」
珍しく柔らかい、あまり見たことのない笑顔の久保さんが、そこにいた。いつもは、その笑顔の裏に何か、仕事を頼む気満々な、嫌な笑顔なのにな。
「暇です。」
「じゃあ、元気出る景色を見せたげる。」
「え?」
私、そんなに疲れた顔してたかな…
コンビニの駐車場で待ち合わせの約束をして、自分の車に乗った。
何か見透かされている、そんな気がする。いつもいつも。だから必要以上話したくない。でも嫌な相手からの申し出が、今日は少しありがたかった。
エンジンをかけて、車を走らせた。
忘れてしまえたら楽だけど、そんなに簡単なもんじゃない。4年半、自分の心の大半を占拠していた人のことだから、忘れられるわけない。
「分かりますけど…一体何なんですか?」
「あ…遅いけどさ、これから暇?」
「え?うん、まあ…って、ちょっ…」
珍しく柔らかい、あまり見たことのない笑顔の久保さんが、そこにいた。いつもは、その笑顔の裏に何か、仕事を頼む気満々な、嫌な笑顔なのにな。
「暇です。」
「じゃあ、元気出る景色を見せたげる。」
「え?」
私、そんなに疲れた顔してたかな…
コンビニの駐車場で待ち合わせの約束をして、自分の車に乗った。
何か見透かされている、そんな気がする。いつもいつも。だから必要以上話したくない。でも嫌な相手からの申し出が、今日は少しありがたかった。
エンジンをかけて、車を走らせた。
忘れてしまえたら楽だけど、そんなに簡単なもんじゃない。4年半、自分の心の大半を占拠していた人のことだから、忘れられるわけない。