理由は聞かない
泣いたような、涙が出なかったような、起こったことを飲み込んだような、よく分からない週末を超えたあと、残ったのは相変わらず山盛りの仕事だった。
なにもこんな時期に。
いや…
いや、忙しくなかったら、私はどうしていただろう。
5月の連休明け、やっと涙が出た。いろんな状況が片付いて、今の自分がはっきり見えた時、急に寂しくなった。
けれども、終わったのだ。全部、終わってしまったのだ。
私と陽太の間には、もう「同級生の友人」以上のものはない。季節はもう前に進んでいる。
見ないで走ったら忘れられるとか、そんな都合よくはなかった。でも一度ガッツリ泣いたら、気が済んだような、清々しい気持ちになった。