理由は聞かない

悪いことではなく、仕事。

心の中のささやきは、天使のささやき、ではなく、本人の言葉だ。適材適所。私では伝えられない言葉を、きちんと伝えてもらおう。

時計はもうすぐ日計の時間を指していた。手持ちの仕事を一旦区切りつけて、伝票と格闘せねば。端末の画面に目を落とし、背筋を伸ばした。

今泉さんのおじいちゃんの事故対応は、本人の宣言通り、早めの対応となった。翌日の金曜日の朝、たまたま用事で来たお嫁さんから、午後面談アポという話を聞いた。

たぶん、薄々は分かっているだろうけど、一番の難題は、本人の自覚を促すことだ。バスとか公共交通の足がない田舎の我が町で、運転しないよう促すのは本当に難しいだろう。だけど、万が一になる前に、なんとかカバーしてほしい。

心の中でお嫁さんの背中に、ごめんなさいとつぶやいた。