理由は聞かない
本当は、花火見て、浴衣着て、はしゃいで…そんな季節なんだろうけどな。
仕事中は考えずに済むことが、終った途端に頭の中を侵食しだす。こんなときは、さっさと帰ってのんびりしよう。
駐車場の自分の車に向かって、早足で歩いた。けれども、自分の車に近づいたとき、その人影に気づき、足がとまった。
なんでいるかな…
先に出た久保さんは、おそらくほぼ意図的に、私の車の隣に自分の車を停めていた。そしてスマホをいじくりながら、明らかに私を待っていた。
「待った?とか言ってほしいですか。」
嫌みたっぷりに言ってみた。
すると久保さんは、スマホを鞄にしまうと、真っ直ぐに私を見た。
「いや、むしろ、悪いなと思ってる。」
意外な答えに、言葉が出なかった。
「でも、今日ぐらいちょうどいいタイミング、もう来年まで無さそうだからと思ってさ。」
「よく意味が分からないんですけど。」
「前にさ、車に運動靴入ってるって言ってたよね。」
話の展開がさっぱり見えず、いぶかしげな表情しか出来なかった。靴を載せっぱなしなのは事実だけれども、一体何をするのか。いや、させるのか。
仕事中は考えずに済むことが、終った途端に頭の中を侵食しだす。こんなときは、さっさと帰ってのんびりしよう。
駐車場の自分の車に向かって、早足で歩いた。けれども、自分の車に近づいたとき、その人影に気づき、足がとまった。
なんでいるかな…
先に出た久保さんは、おそらくほぼ意図的に、私の車の隣に自分の車を停めていた。そしてスマホをいじくりながら、明らかに私を待っていた。
「待った?とか言ってほしいですか。」
嫌みたっぷりに言ってみた。
すると久保さんは、スマホを鞄にしまうと、真っ直ぐに私を見た。
「いや、むしろ、悪いなと思ってる。」
意外な答えに、言葉が出なかった。
「でも、今日ぐらいちょうどいいタイミング、もう来年まで無さそうだからと思ってさ。」
「よく意味が分からないんですけど。」
「前にさ、車に運動靴入ってるって言ってたよね。」
話の展開がさっぱり見えず、いぶかしげな表情しか出来なかった。靴を載せっぱなしなのは事実だけれども、一体何をするのか。いや、させるのか。