天 翔る獣。
遥か昔。第零章
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__自分は今、恋をしている。
それはそれはとても単純で、わかりやすい。
だって、彼の声を聞くだけで何かを期待してしまう。
彼の隣にいるだけで、心臓がバクバクと煩くなる。
彼が僕と眼が合った時……______
あの宝石のような瞳に
煩い鼓動も
熱い頰も
憂鬱な気持ちも全部吸い込まれるようだった。
太陽のような明るい彼と、月のように真っ暗な自分とは、決して恋が実る事はない。
だって僕は____…男だから。
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退屈な時間。
短くなる寿命。
そして常識を覆すような時間と出逢い。
これをある者は"現実逃避"
またの者は"トリップ"
そう呼んだそうだ。
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8月3日。
それが、俺と君の出逢った物語のはじまりだった。
*
「聴こえたんだ、……助けてって、」
「今、確かに聴こえた…」
お前は、
名前は____
真夏の京都に開かれる大きな夏祭り。
国立京都大学生一年の伊織 千弘は、その祭りにやって来るも助けを呼ぶ不思議な声に耳を傾ける。
出逢うのは路地裏にしゃがみ込んだ少女一人。
少女は笑ったり、泣いたりしない。
その異変に、伊織は築く。
出逢うはずのない偶然と必然が産み出した、数奇な少女と伊織の絆物語。
「______約束、守るから」
傷だらけの指と指が、
偶然と必然が、
絡まった。
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