呆れるほど恋してる。



その日は焼肉に言って、芽生と色々と話をした。


そして、順がせりのことでいかに悩んでいたことを伝えられる。


苦しかったのは自分だけではなかった。


彼の世界を理解してあげられなかった後悔と、彼の言葉を信じて待つということを改めて実践しようと考える。


帰宅すると、礼子から先日のインタビューが掲載された見本誌が届いていた。


静かにそれをパラパラとめくる。


順のくれたワンピースを着た自分の姿がそこにはあった。


やはり、日本に残ったことは正解だった。


自分の夢も持てないままでは、彼にいつか置いてかれてしまう。


彼が帰ってくるまで釣り合う自分になりたかった。


仕事もワンランク上の仕事がしたい。


アクセサリーを外し、化粧を落とす。


鏡に映った自分の顔を見ると、ひどく疲れたような顔をしていた。


今は休息をする時期なのだ。


彼を待っている間、仕事を頑張ろう。


他の誰かではだめなのだから。


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