呆れるほど恋してる。
どうしていいか分からないでいると、三山が「現場の意見を聞かせてちょうだい」と言った。
「あ、はい」
「川村さんが店長をやるんだったわよね?あなたは自分の店舗が、そんな風に勝手にコンセプト決められていいの?」
三山の言葉に会議室がシーンと静まり返る。
「お言葉ですが、三山さん。川村さんが店長をやると言っても、セリーヌヴィーナスと三山幸平とのコラボです。彼女の意見も大事だと思いますが、まずは会社として店舗のコンセプトを決めないといけないんじゃないでしょうか?」
高田さんが食い掛かり、三山は「川村さん。あなた会社の中で売上1位なのよね?コスメも好きで、私のこともよく知ってるのよね?なぜ、あなたの意見が出ないの?」と彼女の言葉を無視してせりに食いかかる。
責めれれば責められるほど、どうしたらいいのか分からない。
「まあまあ、そんなに熱く語らずとも。とりあえず、この中でいい案を決めてきましょう」
進行役の社員の人がフォローを出してくれた。
それからなかなかコンセプトが決まらないまま、時間が来てしまう。
「時間も時間なので、また明日ということで」
締めの言葉が入り、会議は終了した。
空気は最悪だった。