呆れるほど恋してる。
夜になって目が覚める。
明け方近くまで仕事をしていたため、久々にゆっくり眠りにつくことが出来た。
今日は一体何月何日なのだろうとスマートフォンを確認すると、たくさんの連絡を未読画面が表示されている。
静まり返った部屋の中で、彼女からの連絡に答えていないことに気が付いた。
「……」
一体どのくらい返信をしていなかったのだろう。
日々の仕事があまりにも突然忙しくなって、気が付いたら二週間も経っていたようだ。
この二週間はあっという間だった。
光の速さのようで過ぎ去っていて、誰とどんな会話をいつしたのかさえ曖昧だ。
順は小さく溜息をついてスマートフォンを取る。
せりから入った謝罪の言葉。
二週間も放置して、彼女はまだ覚えていてくれるのだろうか。
今更メッセージを入れても返してくれないだろうなと思い、順は三山に電話した。
彼はすぐに電話に出てくれた。
「順ちゃん!」
「どうも……」
「すごいじゃない!大ブレイクよ!」
テンションが高いまま、彼は嬉しそうに順の功績をたたえた。
「あの……」
「せりちゃんのこと?」
何でもお見通しだと言わんばかりに三山は言う。
「……うん。彼女怒ってる?」
「怒ってるというよりも、泣きつかれて諦めかけてるっていった感じね。見てて痛々しいわ」
真剣そうな声色で言われると何も言い返せなかった。
「ごめん……」
「動く気になったから私に連絡くれたんでしょ?」
「……やっぱり好きなんだ」
「いや、それは彼女に言ってあげなさいよ。今日彼女、新しい店舗の方に1日顔を出してるはずだから」
あたしは自分の仕事のイベントがあるから行けないけどね。
と言って彼は電話を切る。
小さく溜息をついた。
彼女に会いに行こう。
そう思った。