呆れるほど恋してる。
順との電話を切った後、三山は深く溜息をついた。
こんなにお互いに惹かれ合っているのに、何故上手くいかないのだろうか。
普通、こんなにお互いが好きだったら上手くいくはずなのに。
見えない何かが、二人の仲を邪魔しているようだとしか考えられなかった。
冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターを取り出す。
最近、巷で流行している水だ。
軟水と温泉水がミックスされていて、肌にいいらしい。
「写真あげましょう」
スマートフォンのカメラ機能でそれを撮ると、宣伝用のSNSアカウントで投稿する。
毎日何らかの発信をしていかないと、世間から置いて行かれてしまうのだ。
発信を終えた後、三山はせりに電話をかけようとする。
がやめた。
「順ちゃんが向かったし、大丈夫でしょ。もう」
そう考えて。