呆れるほど恋してる。
夕方、タクシーで迎えに来た友香と共に南青山にある大きなタワーマンションに向かった。
最上階を貸し切って開かれる身内だけのパーティーらしい。
受付をパスして、専用のエレベーターを登っていく。
専用のカードキーでしか上がれないエレベーターなんて、生まれて初めて乗ったと頭の中で考えながら、平静を装う。
友香は慣れているのか、シレっとした表情で乗っている。
これが一般人とモデルの差なのかと思いつつ、エレベーターが最上階に到着するのを待った。
三山幸平のメイク会社が一周年を記念して開いたパーティーは、せりが思っているよりもずっと豪華だった。
マンションの最上階を全て使ったそのフロアは非常に広く、煌びやかな世界である。
シルクのカーテンに、ペルシャ絨毯。
イタリア製の家具。
全てが高級だ。
中央には三山幸平の今までの歴史がスクリーンに映し出されている。
彼がフランスで得てきた知識をふんだんに注ぎ込んだブランドコスメ達は、全国10店舗にまで展開され、有名百貨店を始めメイク好きの女の子たちで溢れているのだ。
せりが目をキラキラさせているのが分かったのか、友香が笑いながら「だからせり先輩連れて来たかったんですよね」と言った。
「いや、本当にありがとう。まじめに楽しい」
ディスプレイには三山がデビュー当時からプロデュースした商品がたくさん並んでいる。
知っている商品ばかりだ。
というより、持っている商品ばかりだ。
「あー!友香ちゃんじゃなぁーい?!」
黄色い声が聞こえてきたと思い、振り返ると御本人様の登場だ。
「あー!三山さーん!」
友香がぴょんぴょんと飛び跳ねながら三山に駆け寄って行く。
昔から物怖じしない子だと思っていたが、天下のメイクアップアーティスト三山幸平にも物怖じしないとは、なかなかすごい奴だ。
流石売れっ子モデルともなると住む世界も違うんだろうなと改めて思わされる。
卑屈になってしまう。
すごいなと感嘆する気持ちと重なり合って非常に複雑だ。
自分が会社の勝手に設定した目標に届いて安堵しているということが急に霞んでしまった。
最上階を貸し切って開かれる身内だけのパーティーらしい。
受付をパスして、専用のエレベーターを登っていく。
専用のカードキーでしか上がれないエレベーターなんて、生まれて初めて乗ったと頭の中で考えながら、平静を装う。
友香は慣れているのか、シレっとした表情で乗っている。
これが一般人とモデルの差なのかと思いつつ、エレベーターが最上階に到着するのを待った。
三山幸平のメイク会社が一周年を記念して開いたパーティーは、せりが思っているよりもずっと豪華だった。
マンションの最上階を全て使ったそのフロアは非常に広く、煌びやかな世界である。
シルクのカーテンに、ペルシャ絨毯。
イタリア製の家具。
全てが高級だ。
中央には三山幸平の今までの歴史がスクリーンに映し出されている。
彼がフランスで得てきた知識をふんだんに注ぎ込んだブランドコスメ達は、全国10店舗にまで展開され、有名百貨店を始めメイク好きの女の子たちで溢れているのだ。
せりが目をキラキラさせているのが分かったのか、友香が笑いながら「だからせり先輩連れて来たかったんですよね」と言った。
「いや、本当にありがとう。まじめに楽しい」
ディスプレイには三山がデビュー当時からプロデュースした商品がたくさん並んでいる。
知っている商品ばかりだ。
というより、持っている商品ばかりだ。
「あー!友香ちゃんじゃなぁーい?!」
黄色い声が聞こえてきたと思い、振り返ると御本人様の登場だ。
「あー!三山さーん!」
友香がぴょんぴょんと飛び跳ねながら三山に駆け寄って行く。
昔から物怖じしない子だと思っていたが、天下のメイクアップアーティスト三山幸平にも物怖じしないとは、なかなかすごい奴だ。
流石売れっ子モデルともなると住む世界も違うんだろうなと改めて思わされる。
卑屈になってしまう。
すごいなと感嘆する気持ちと重なり合って非常に複雑だ。
自分が会社の勝手に設定した目標に届いて安堵しているということが急に霞んでしまった。