世界で2番目の君に恋をして。
第1章【 高揚 】

4月 、春。
臙脂色のネクタイに高校生特有のチェックのプリーツスカート。
胸下まである長い髪をゆるく三つ編みに結う。


何もかも真新しいものに身を包み、私 町野 茜は上機嫌になりながらアパートの扉を開けた。

そこにはやっと見慣れてきた東京の景色が私の眼先に広がっている。


ここから徒歩50分。
まあそこそこ遠いと言えば遠いが、暑くも寒くもないこの季節は歩いていても苦ではない。


ぼんやりとした白い空。 春とはいえまだ4月上旬の肌寒く感じる風。 人に溢れた交差点。先を急ぐサラリーマン。


私の日常。
何も変わらない景色。
私はいつものように空を見上げながら、

どこか胸を高鳴らせていた。
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