クールな公爵様のゆゆしき恋情
アレクセイ様の左腕がいつの間にか私の腰に回っていました。
身体を引き寄せられた為、ますます距離が縮まってしまいます。
慌てる私を余所に、アレクセイ様は情熱的に囁きます。
「次は俺が首飾りを贈る」
「え?……いえ、お気になさらないで下さい。私はネックレスは幾つか持っていますので」
「それはもう使うな」
「ええ⁉︎」
「ラウラの白い肌に映えそうなものがいいな」
強引な上に、私の話は全く聞いていません!
アレクセイ様は幸せそうに微笑みながら、ネックレスに触れていた手を今度は耳元に滑らせました。
ほんの僅かですが、肌に触れる感覚に私がびくりと反応すると、アレクセイ様はクスリと笑い、耳元の手で私の顔を上に向かせ、キスを落として来ました。
まさかこんな時にまでキスをされると思っていなかった私は、慌ててアレクセイ様の身体を押しのけます。
「駄目です!」
私の力ではアレクセイ様を遠ざける事は出来ませんから、アレクセイ様は依然として私の腰に手を回したまま、眉をひそめて言いました。