クールな公爵様のゆゆしき恋情
「どうしてだ?」

「どうしてって、だってこんな所を誰かに見られたらどうするのですか⁉︎」

「ラウラは俺の婚約者だから見られたところで問題ないだろ?」

アレクセイ様はあっさり言いますが、私としては問題大有りです!

こんな場面を誰かに見られたら、その人とはもう顔を合わせられません。

アレクセイ様には羞恥心が無いのでしょうか?


確かに昨夜の私はアレクセイ様を拒絶出来ませんでした。受け入れたのも同様な態度をとりました。

だからと言って、アレクセイ様がこれ程積極的になってしまうなんて予想外です。

こんなに甘い雰囲気を醸し出して、恋人に向ける様な私が恥ずかしくなってしまう様な言葉を語り、熱っぽい視線で見つめて来るなんて。

アレクセイ様には遠慮とか、段階を踏むとか、そういう発想は無いのでしょうか。

そんな事をぐるぐると考えている内に、アレクセイ様は強い力で再び私を抱き締めました。


「あっ!アレクセイ様駄目です 離して!」

アレクセイ様はじたばたする私を捕まえたまま、少し不機嫌そうに言いました。

「誰もいない。見られて無ければ、いいだろう?」

「そ、そうではなくて……あの、このままだと、髪や衣装が乱れてしまいます!」

上手い言い訳を思いついたと、私は張り切って訴えました。ですがアレクセイ様には全く効き目が有りません。

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