クールな公爵様のゆゆしき恋情
「まだ時間が有るから大丈夫だ」

強引に再び唇を重ねて来ようとします。

「待って! 駄目ですアレクセイ様、時間は有りませんよ!」

「無理。もう止まらない。長く待ちすぎてもう耐えられない」

アレクセイ様はそう言うと強引に私の唇を塞ぎました。

どれだけキスが好きなのでしょうか?!

アレクセイ様ってこんな人だったのでしょうか? 私が知らなかっただけでしょうか?

抵抗しあれこれ考えを巡らしましたが、直ぐにそれも出来なくなりました。

アレクセイ様のキスは段々と深くなり、私の思考力を根こそぎ奪っていってしまったのです。

「ラウラ。愛している」

幼い頃から好きだったアレクセイ様に愛の言葉を囁かれながら強く抱きしめられ、身体が熱くなる様なキスをされてしまっては、もう抵抗なんて出来ません。

縋る様に背中に腕を回すと、応えるように息も出来ない程強く抱きしめられました。その間も深いキスを与えられたままですから、気が遠くなりそうでした。

「……っ……んんっ!」

部屋の中にはお互いの吐息と、身体を回る熱に耐え切れずに漏れる私の声が満ちていきます。

それは、何時までも部屋から出て来ない私達を不審に思ったアンネが様子を窺う様に扉をノックをするまで、途切れずに続けられました。


< 117 / 196 >

この作品をシェア

pagetop