クールな公爵様のゆゆしき恋情
「ついにアンテス領へ行けるのね。私楽しみ過ぎて、昨日はよく眠れなかったわ!」
エステルは輝く様な笑顔で言います。以前からお兄様の育ったアンテス領に行ってみたいと言ってましたから、ようやく夢が叶って嬉しいのでしょう。でもきっと一番はお兄様と再会出来る事でしょうけど。
アレクセイ様と同じ黄金の髪に青い瞳。エステルの大きな瞳はアレクセイ様より少し明るく、晴れ渡った空の様です。
いつも明るく、生き生きしている私の親友は本当に魅力的で、お兄様が好きになったのも頷けます。
私とエステルはアンテス家の紋章入りの馬車に乗り込みました。
しばらくすると馬車は滑らかに走り出しました。屋敷の正門を抜けると更に速度を上げて進んでいきます。
エステルが乗っているから安全の為に王都を出るまで窓にかかったカーテンを開けられません。最後に町並みを見たかったのですが、仕方有りませんね。
大人しく座っていると、エステルが言いました。
「ラウラが一緒で良かったわ。一人じゃ少し心細いもの」
「そうですね。エステルにとってアンテス領は未知の場所ですから不安ですよね」
エステルはベルハイム王都から出た事が一度もないそうです。王都とは全く雰囲気の違うアンテスの街を見たらきっと驚くでしょうね。
エステルの驚く顔を想像してくすりと笑う私に、エステルが言いました。
「ラウラが居るからもう心配してないわ。でも、アレクお兄様は怒っているでしょうね。アンテス領は遠いからしばらく会えなくなってしまうもの」
申し訳無さそうなその声で、エステルにはまだ婚約解消の事を言っていなかった事に気付きました。
これは早く伝えないといけません。エステルはなぜかアレクセイ様が私を気にいっていると思っているようですから、とても驚くと思いますが。
「エステル、いずれ噂になると思いますが、アレクセイ様と私の婚約は解消されました」
「えっ?!」
エステルはまるで時が止まってしまった様にピタリと動きを止めました。
エステルは輝く様な笑顔で言います。以前からお兄様の育ったアンテス領に行ってみたいと言ってましたから、ようやく夢が叶って嬉しいのでしょう。でもきっと一番はお兄様と再会出来る事でしょうけど。
アレクセイ様と同じ黄金の髪に青い瞳。エステルの大きな瞳はアレクセイ様より少し明るく、晴れ渡った空の様です。
いつも明るく、生き生きしている私の親友は本当に魅力的で、お兄様が好きになったのも頷けます。
私とエステルはアンテス家の紋章入りの馬車に乗り込みました。
しばらくすると馬車は滑らかに走り出しました。屋敷の正門を抜けると更に速度を上げて進んでいきます。
エステルが乗っているから安全の為に王都を出るまで窓にかかったカーテンを開けられません。最後に町並みを見たかったのですが、仕方有りませんね。
大人しく座っていると、エステルが言いました。
「ラウラが一緒で良かったわ。一人じゃ少し心細いもの」
「そうですね。エステルにとってアンテス領は未知の場所ですから不安ですよね」
エステルはベルハイム王都から出た事が一度もないそうです。王都とは全く雰囲気の違うアンテスの街を見たらきっと驚くでしょうね。
エステルの驚く顔を想像してくすりと笑う私に、エステルが言いました。
「ラウラが居るからもう心配してないわ。でも、アレクお兄様は怒っているでしょうね。アンテス領は遠いからしばらく会えなくなってしまうもの」
申し訳無さそうなその声で、エステルにはまだ婚約解消の事を言っていなかった事に気付きました。
これは早く伝えないといけません。エステルはなぜかアレクセイ様が私を気にいっていると思っているようですから、とても驚くと思いますが。
「エステル、いずれ噂になると思いますが、アレクセイ様と私の婚約は解消されました」
「えっ?!」
エステルはまるで時が止まってしまった様にピタリと動きを止めました。