クールな公爵様のゆゆしき恋情
しばしの沈黙の後、エステルが身を乗り出し私の肩を掴む勢いで言いました。
「嘘でしょ? どうして? いつ?」
「あ、危ないですよエステル。そんなに興奮しないで」
速度を上げている馬車でこんなに暴れては怪我をしてしまうかもしれません。
エステルに何か有ったらお兄様がどれ程怒るか……想像して思わず身震いした私に、エステルは畳み掛ける様に言いました。
「ラウラ、ぼんやりしないでちゃんと答えて!……ねえ、婚約解消したのは私とレオンの結婚のせいなの?」
エステルの表情は青ざめています。変な誤解をしてしまった親友に私は慌てて言いました。
「エステル違いますよ。アレクセイ様との婚約解消と、お兄様とエステルの結婚は何の関係も有りません。私が望んで決めた事で昨日国王陛下の許可も頂きました」
本当は全くの無関係では有りませんけど。
私がアレクセイ様との婚約を解消出来たのは、お兄様とエステルの結婚が決まったからなのですから。
二人は私とアレクセイ様と違ってお互い愛し合って結婚を決めました。
でも二人が出会った頃には既にアレクセイ様と私は婚約を結んでいたので、その恋を成就させるのはとても困難な事でした。
ベルムバッハ王家はアンテス辺境伯家との縁を強く望んでいましたが、王子と王女二人共がアンテス家と婚姻するのは問題がありました。
アンテス家の力が強くなり過ぎてしまい、他の貴族達から不満の声が上がるからです。
それならばアレクセイ様と私の婚約を解消すれば済む話ですが、そう簡単には行きませんでした。
「嘘でしょ? どうして? いつ?」
「あ、危ないですよエステル。そんなに興奮しないで」
速度を上げている馬車でこんなに暴れては怪我をしてしまうかもしれません。
エステルに何か有ったらお兄様がどれ程怒るか……想像して思わず身震いした私に、エステルは畳み掛ける様に言いました。
「ラウラ、ぼんやりしないでちゃんと答えて!……ねえ、婚約解消したのは私とレオンの結婚のせいなの?」
エステルの表情は青ざめています。変な誤解をしてしまった親友に私は慌てて言いました。
「エステル違いますよ。アレクセイ様との婚約解消と、お兄様とエステルの結婚は何の関係も有りません。私が望んで決めた事で昨日国王陛下の許可も頂きました」
本当は全くの無関係では有りませんけど。
私がアレクセイ様との婚約を解消出来たのは、お兄様とエステルの結婚が決まったからなのですから。
二人は私とアレクセイ様と違ってお互い愛し合って結婚を決めました。
でも二人が出会った頃には既にアレクセイ様と私は婚約を結んでいたので、その恋を成就させるのはとても困難な事でした。
ベルムバッハ王家はアンテス辺境伯家との縁を強く望んでいましたが、王子と王女二人共がアンテス家と婚姻するのは問題がありました。
アンテス家の力が強くなり過ぎてしまい、他の貴族達から不満の声が上がるからです。
それならばアレクセイ様と私の婚約を解消すれば済む話ですが、そう簡単には行きませんでした。