クールな公爵様のゆゆしき恋情
その理由はエステルの出自にあります。
アレクセイ様に良く似たベルハイム王家特有の金髪碧眼のエステルですが、お母様は平民だったそうなのです。

国王陛下が若い頃に狩で訪れた森の村でエステルのお母様を見初めたそうで、お二人の間に生まれたのが第二王女エステルなのです。

エステルは王女の身分を与えられましたが、周りの王侯貴族達はその出自からエステルを好ましく思っていません。

エステルは王都の端にある王家の離宮でお母様と暮らし不自由無くのびのびと過ごしていますが、有力貴族の後ろ盾がない事からアンテス家との政略結婚に向いていないのです。

そんな事情から王族の方々は王妃様の第二王子アレクセイ様とアンテス家長女の私との婚姻を望んでいました。
その為、お兄様とエステルの結婚の許可はなかなか降りなかったのです。

でもさすがはお兄様です。逆境の中、誠実に懸命に粘り強く、時には少し強引な手を使って王族の方々や高位貴族の了承を得たのです。

お兄様とエステルは晴れて正式な婚約者となりました。

私とアレクセイ様の婚約もそのまま継続と決まりましたが、解消する事も不可能ではない状況となったのです。
< 15 / 196 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop