クールな公爵様のゆゆしき恋情
「アレクセイ様は……ずっと私を好きでいてくれたのですか?」

「ああ。初めて会った幼い頃から、ラウラだけしか見ていない」

「……本当ですか?」

「誓って言う。本当だ。昔も今も俺にはラウラしかいない」


アレクセイ様の真摯な目は、それが真実だと私に伝えてくれました。あれほど信じられないと思っていたアレクセイ様の言葉を、今、私は信じられると感じたのです。

やっとアレクセイ様の心が見えた気がしました。
感情が揺さぶられ、止まっていたはずの涙が溢れて来ます。

「もう……他の人と婚約したいなんて言いませんか?」

「あれは嫉妬が抑えられなくてラウラに当てつけてしまったんだ。ラウラはリュシオンを想ってその首飾りを付けていると思ったんだ」

アレクセイ様が、必死に弁解して来ます。

「デリアとは本当に何でも無い。昨日レオンが言っていた事は、俺をからかって面白がってただけで何時もの事だ。返事をするまでも無いと思ったから黙っていただけなんだ」

「……アメルダ男爵令嬢の事は?」

「アメルダ男爵からそういった話は有ったがその場で断った。俺が欲しいのはラウラだけだから」

アレクセイ様がきっぱりと言い切ります。

「アレクセイ様は本当に私だけでいいのですか? 私はきっと我儘ばかり言って困らせます」

「困る事が有るとしたらラウラが遠くに行ってしまう事だけだ。前にも言っただろ? 俺はフェルザー公爵になった時決心したんだ。ラウラの気持ちを取り戻す為にどんな努力もすると。散々傷付けたけれどやり直したいんだ。ラウラがいない人生なんて考えられないんだ」

「それなら……約束して下さいますか?」
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