クールな公爵様のゆゆしき恋情
切ない目で私を見つめるアレクセイ様に、そう告げ、返事が来る前に続けました。

「いつも側にいて下さい。私だけを見て下さい。触れるのは私だけにして下さい……もう他の人を抱き寄せたりしないで。アレクセイ様とデリア様が寄り添っている姿が頭から離れません。嫌なんです、アレクセイ様に抱きしめて貰えるのは私だけであって欲しいんです」

自分でも呆れるくらい嫉妬深いと思います。でもこれが私の本心なのです。

「アレクセイ様に触れていいのは私だけ。そうあって欲しいんです」

「ラウラ!」

泣きながら訴える私をアレクセイ様は強くだきしめました。

逞しい腕に抱かれると、アレクセイ様への想いがますます強くなります。

「アレクセイ様……好きなんです。私……」

言いかけた言葉は最後まで口に出来ませんでした。

アレクセイ様に激しく唇を塞がれたからです。

想いをぶつけるように、何度も何度も繰り返し口付けられます。

「ラウラ……愛している」

「アレクセイ様……あっ……んんっ」

翻弄されて気が遠くなりそうです。
でももっとこうしてアレクセイ様の腕の中に居たい。私の気持ちを伝えたいのです。

私はアレクセイ様の背中に腕を回し、しがみ付く様にアレクセイ様を抱きしめました。

アレクセイ様の腕の力が更に強まります。
苦しい程強く抱き締められ、もう何も考えられなくなる程深い口付けをされて、私は何度もそれに応えました。
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