クールな公爵様のゆゆしき恋情
フェルザー領はアンテスと違い、内陸の草原に広がる領地です。

アンテスより少しだけ温かく、道中では、自然の花畑をいくつも見ました。

休憩の為馬車から降りる度、私は見慣れない景色に興味を惹かれ、あちこち歩き回りたくなりました。

それを止めるのは、護衛として付いてくれているリュシオンです。

「ラウラ姫。そろそろ出発しましょう。フェルザー公爵が首を長くして到着をおまちですよ」

「あっ、そうですね」

私は慌てて馬車に戻ります。


リュシオンの護衛で、何事もなくフェルザー公爵のお城に到着しました。

「綺麗!」

私は感嘆の声を上げました。

湖の中島に作られたフェルザー公爵のお城は、青い屋根と白い壁のとても可愛らしいお城だったのです。

これからはここでアレクセイ様と暮らすのです。

わくわくする気持ちが止まりません。

窓の外の光景に目を奪われている内に、お城に到着したようです。

馬車は速度を落とし、湖に掛かった広い橋を渡ります。

その先のお城の入り口に、見慣れた黄金の煌めきを見つけました。

胸の中が喜びでいっぱいになります。
馬車が止まるのを、今か今かと待ちました。
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