クールな公爵様のゆゆしき恋情
私がフェルザー公爵領に移り住んでから、一週間が経ちました。
フェルザー城の北に位置する礼拝堂には、多勢の人が集まっています。
扉を開け一歩踏み出すと、着飾った人達の視線が私に集まります。
立ち並ぶ人々に囲まれた道を、お父様のエスコートで、ゆっくりと進みます。
その先で、優しく微笑みながら私を待っていてくれる、大好きな人の元へ。
私、ラウラ・アンテスは今日結婚いたします。
幼い頃からひたすら想い続けた、大好きで大切な人と。
アレクセイ様の手が、私に向かって差し出されます。
私は幸福に包まれながら、その手を取りました。
「公爵閣下の恋煩い」
〜end〜