クールな公爵様のゆゆしき恋情
「……という訳で、具体的な理由は伏せるが俺は兄上に疎まれ、ラウラとの関係が悪化する様に仕向けられた。兄上との事は解決済みだが、ラウラとの関係修復が出来ないまま来てしまったんだ」
俺の話を黙って聞いていた辺境伯が、納得した様に頷いた。
「なるほど。そう言う事情だったのですか。アレクセイ様はここ数年目まぐるし実績を上げられた。武術大会では王族として初の優勝を遂げられたし、アレクセイ様が提案された治水事業の改善案は、高名な学者も舌を捲くほど優れていたものでした。第一王子殿下が慌てるのも無理は有りません」
「……」
具体的な事は何も言ってないはずが、何が原因で俺が兄上に疎まれていたか気付いた様だ。辺境伯の洞察力は恐ろしいな。
「ですが優秀なアレクセイ様があっさりと第一王子殿下の罠に落ちたのは、別に原因が有ると推測しますが」
……辺境伯はどこまで知ってるんだ?
「リュシオンを意識されておいでか? それでラウラにあの様な態度を……」
全てお見通しって訳か!
見たところ納得してくれた様だが、ここまで情けないところを知られてしまって大丈夫なのか?
我が娘の婿に情けない男は不要! とか声高に言いださないだろうな。
辺境伯に何一つ切り返せない情けなさに苛立つが、今の俺には抵抗の術がない。
ラウラと結婚したいのなら耐えるしかないんだ。
屈辱に耐えていると、辺境伯があっさりと言った。
「よく分かりました。ラウラとの事はアレクセイ様にお任せ致します」
「本当か⁈」
捨て身になった甲斐があったようだ。
これでラウラとやり直せる!
「ですが、ラウラはアレクセイ様との結婚も、王都での暮らしも嫌だと言っておりますので、説得は御自分でなさって下さい」
「……分かった」
王都が嫌だったらどこか遠くに行けばいい。
ラウラがいれば俺はどこに住んだっていいんだからな。
俺の話を黙って聞いていた辺境伯が、納得した様に頷いた。
「なるほど。そう言う事情だったのですか。アレクセイ様はここ数年目まぐるし実績を上げられた。武術大会では王族として初の優勝を遂げられたし、アレクセイ様が提案された治水事業の改善案は、高名な学者も舌を捲くほど優れていたものでした。第一王子殿下が慌てるのも無理は有りません」
「……」
具体的な事は何も言ってないはずが、何が原因で俺が兄上に疎まれていたか気付いた様だ。辺境伯の洞察力は恐ろしいな。
「ですが優秀なアレクセイ様があっさりと第一王子殿下の罠に落ちたのは、別に原因が有ると推測しますが」
……辺境伯はどこまで知ってるんだ?
「リュシオンを意識されておいでか? それでラウラにあの様な態度を……」
全てお見通しって訳か!
見たところ納得してくれた様だが、ここまで情けないところを知られてしまって大丈夫なのか?
我が娘の婿に情けない男は不要! とか声高に言いださないだろうな。
辺境伯に何一つ切り返せない情けなさに苛立つが、今の俺には抵抗の術がない。
ラウラと結婚したいのなら耐えるしかないんだ。
屈辱に耐えていると、辺境伯があっさりと言った。
「よく分かりました。ラウラとの事はアレクセイ様にお任せ致します」
「本当か⁈」
捨て身になった甲斐があったようだ。
これでラウラとやり直せる!
「ですが、ラウラはアレクセイ様との結婚も、王都での暮らしも嫌だと言っておりますので、説得は御自分でなさって下さい」
「……分かった」
王都が嫌だったらどこか遠くに行けばいい。
ラウラがいれば俺はどこに住んだっていいんだからな。