クールな公爵様のゆゆしき恋情
「また、期限は今から一年とさせて頂きます」

「一年?」

「はい。それ以上待てばラウラは婚期を逃してしまいます。一年の間にラウラの気持ちを変えることができなければアレクセイ様との話は無かった事にして頂きます」

「……分かった」

一年は短い。ラウラに嫌われきっている俺にとっては、決して十分な時間とは言えない。

でも、やるしかない。

「それからリュシオンの事については私も無神経なところが有ったかもしれませんが、リュシオンは当家にとってかけがえのない大切な臣下です。安心してラウラの護衛を任せられるのもリュシオンなのです。アレクセイ様が何と仰ろうと遠ざける事は出来ません」

「……分かっている」

悔しいが辺境伯の言う通りだ。
ラウラはその立場から狙われやすいから、優秀な護衛は絶対に必要だ。
それは俺も理解して覚悟するしかない。

今までは直ぐカッとなって嫉妬ばかりしていたが、これからは生まれ変わるんだ。
同じ失敗は繰り返さない。


なんとか辺境伯の承諾を得た俺は、今後の事に考えを巡らせた。
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