クールな公爵様のゆゆしき恋情

公爵誕生

まずはラウラの動向を確認したかった。
俺は早速アンテスへ使いを出した。

相手は悪友レオンハルト・アンテス。
出来ればこいつの手は借りたくなかったが、仕方ない。
何と言ってもラウラの実の兄だから、味方に引き込んでおけば、何かと役に立つはずだ。

レオン宛の手紙には、急ぎ王都に出て来て欲しいと書いた。
出来れば使者と共に来て欲しいと。

だが戻って来たのは、使者一人。
俺は気まずそうな使者から、レオンの手紙を受け取った。

『エステルを観光に連れて行くから無理。王都には半月後に向かう』

……そうだった。
今、アンテスにはエステルが行っていたんだ。
ラウラの行動が異様に早いのはエステルの馬車に便乗したからか。

エステルがアンテスに居るなら、何を言ってもレオンは出て来ないだろうな。
あいつはエステルを溺愛しているし、結婚前だと言うのに早くも頭が上がらない様子だ。

仕方ない。
レオンが戻る前に出来る事をしておこう。

俺は数日を調べ物と考え事に費やし心を決めると、国王へ面会を申し込んだ。
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