クールな公爵様のゆゆしき恋情
「エステル、それくらいにしてやれよ、アレクは何も企んでないんだから」
「でも!」
「アレクはラウラが好きなだけなんだよ。好きで好きで好きでたまらないから、どうしても結婚したい。他の男に奪われでもしたら手が付けられない程暴れるだろうな。だからもうリュシオンや他の男の事は言ってやるなよ?」
笑いを堪えながら言うレオンの言葉を聞いたエステルが、ポカンと口を開いたまま俺に視線を送って来た。
……気まずすぎる。
レオンの発言に抗議をする余裕も無い。
しばらくの沈黙の後、エステルが言った。
「お兄様の今までの態度について、ラウラから少しだけ聞き出しましたけど……」
続く台詞が予想出来る。
「お兄様ってどうしようも無いですわね」
予想通りの台詞を呆れ顔で吐かれ、俺はたまらずに部屋を飛び出した。
時折レオンとエステルの襲撃を受けながらも精力的に工事を進め半年後
やっと俺の計画が日の目を見る時がやって来た。
雨の季節と呼ばれるこの時期は、その名の通り頻繁に雨が降る。
例年なら川の水位が上がり、下流に住む人々は氾濫の不安を覚えるが、今年は上流に作った溜池が効果を発揮しているのか、水位の上昇が抑えられていた。
成功だ!
俺は成果をまとめると、久々に国王へ謁見を申し出た。
これで嫌とは言わせない。約束通りフェルザー公爵の位を頂いてやる!
国王は本当に半年で一定の成果を上げた事を、大げさなくらい驚いていた。
更に改良を続ける為、あと一年位続けてみないかと言われたが、一瞬の検討もなく断った。
その後、主要な貴族が集められ、協議の結果俺のフェルザー公爵就任が決定した。
知らせを受けて直ぐにアンテス辺境伯へラウラとの結婚を申し込んだ。
とりあえず婚約者候補としてラウラと会う権利を手に入れた。
「でも!」
「アレクはラウラが好きなだけなんだよ。好きで好きで好きでたまらないから、どうしても結婚したい。他の男に奪われでもしたら手が付けられない程暴れるだろうな。だからもうリュシオンや他の男の事は言ってやるなよ?」
笑いを堪えながら言うレオンの言葉を聞いたエステルが、ポカンと口を開いたまま俺に視線を送って来た。
……気まずすぎる。
レオンの発言に抗議をする余裕も無い。
しばらくの沈黙の後、エステルが言った。
「お兄様の今までの態度について、ラウラから少しだけ聞き出しましたけど……」
続く台詞が予想出来る。
「お兄様ってどうしようも無いですわね」
予想通りの台詞を呆れ顔で吐かれ、俺はたまらずに部屋を飛び出した。
時折レオンとエステルの襲撃を受けながらも精力的に工事を進め半年後
やっと俺の計画が日の目を見る時がやって来た。
雨の季節と呼ばれるこの時期は、その名の通り頻繁に雨が降る。
例年なら川の水位が上がり、下流に住む人々は氾濫の不安を覚えるが、今年は上流に作った溜池が効果を発揮しているのか、水位の上昇が抑えられていた。
成功だ!
俺は成果をまとめると、久々に国王へ謁見を申し出た。
これで嫌とは言わせない。約束通りフェルザー公爵の位を頂いてやる!
国王は本当に半年で一定の成果を上げた事を、大げさなくらい驚いていた。
更に改良を続ける為、あと一年位続けてみないかと言われたが、一瞬の検討もなく断った。
その後、主要な貴族が集められ、協議の結果俺のフェルザー公爵就任が決定した。
知らせを受けて直ぐにアンテス辺境伯へラウラとの結婚を申し込んだ。
とりあえず婚約者候補としてラウラと会う権利を手に入れた。