クールな公爵様のゆゆしき恋情
令嬢達の集まりの中心に、遠くからでも目を惹く若い男性の姿がありました。
彼の名前は、アレクセイ・ベルムバッハ。
王妃様を母君とする、この国の第二王子殿下です。
煌く黄金の髪。海の様に深い色味の碧眼。
彫刻の様に整ったお顔は、一目見たら忘れられません。
濃紺の衣装に包まれた長い手足。
身体は細いけれど逞しさも感じさせます。
その身分と相まって、令嬢達が我先にと近付くのも当たりの事なのでしょう。
アレクセイ様に夢中の令嬢達は、私が近付いても少しも気付きません。
初めに私に気付いたのはアレクセイ様でした。私の姿を認めると令嬢達を夢中にさせる笑顔は消えて、変わりに眉間に深いシワが寄っていきます。
「随分と早いお出ましだな」
アレクセイ様が発した声は、誰が聞いてもうんざりとした気持ちが分かるような、冷たく不機嫌なものでした。
きっと令嬢達との語らいを邪魔した私に怒っているのですね。
私も好んで皆様の邪魔をしたい訳では有りませんが、立場上アレクセイ様に一番に挨拶をしなくてはならないのです。
「アレクセイ様。この度はご招待頂きましてありがとうございます」
挨拶をしてもアレクセイ様のお顔は険しいままで、言葉一つもかけて頂けません。
いつもの事ではあるのですがやはり胸が痛みます。最後迄慣れる事は出来ませんでした。
私は傷付いた心を隠す為、少しだけ視線を伏せました。
「ご歓談中にお邪魔をしてしまい申し訳御座いませんでした。ご挨拶も済みましたので私は下がらせて頂きます」
そのまま直ぐにその場から立去ろうとしたのですが、「ラウラ、待て」となぜかアレクセイ様に呼び止められました。
彼の名前は、アレクセイ・ベルムバッハ。
王妃様を母君とする、この国の第二王子殿下です。
煌く黄金の髪。海の様に深い色味の碧眼。
彫刻の様に整ったお顔は、一目見たら忘れられません。
濃紺の衣装に包まれた長い手足。
身体は細いけれど逞しさも感じさせます。
その身分と相まって、令嬢達が我先にと近付くのも当たりの事なのでしょう。
アレクセイ様に夢中の令嬢達は、私が近付いても少しも気付きません。
初めに私に気付いたのはアレクセイ様でした。私の姿を認めると令嬢達を夢中にさせる笑顔は消えて、変わりに眉間に深いシワが寄っていきます。
「随分と早いお出ましだな」
アレクセイ様が発した声は、誰が聞いてもうんざりとした気持ちが分かるような、冷たく不機嫌なものでした。
きっと令嬢達との語らいを邪魔した私に怒っているのですね。
私も好んで皆様の邪魔をしたい訳では有りませんが、立場上アレクセイ様に一番に挨拶をしなくてはならないのです。
「アレクセイ様。この度はご招待頂きましてありがとうございます」
挨拶をしてもアレクセイ様のお顔は険しいままで、言葉一つもかけて頂けません。
いつもの事ではあるのですがやはり胸が痛みます。最後迄慣れる事は出来ませんでした。
私は傷付いた心を隠す為、少しだけ視線を伏せました。
「ご歓談中にお邪魔をしてしまい申し訳御座いませんでした。ご挨拶も済みましたので私は下がらせて頂きます」
そのまま直ぐにその場から立去ろうとしたのですが、「ラウラ、待て」となぜかアレクセイ様に呼び止められました。