クールな公爵様のゆゆしき恋情
出発と過去の夢
日々はあっと言う間に過ぎ去り、今日はエステルがアンテス領を発つ日です。
お兄様が一緒に王都へ行く為、帰りの道中の心配は有りませんが、エステルはとても名残惜しそうにしています。
「ラウラ、寂しくなるわ」
「私もです。でも半年後にはエステルのお嫁入りでしょう?また会えますね」
「そうね、でも半年が長く感じるわ。私すっかりアンテスが気に入ったから」
エステルはアンテスのお城と、四方の風景をぐるりと眺めながら言いました。
お兄様に連れて行ってもらった霊峰も海もとても素晴らしく、感動で言葉が出なかったと、エステルはそれは嬉しそうにお土産話で語ってくれました。
これからずっと暮らすアンテスを気に入ってくれて本当に良かった。
「エステル、お兄様、行ってらっしゃい!」
何度も振り返りながら馬車へ乗り込んだエステルを見送りました。
半年後の再会を楽しみにしながら。
しばらくその場でお兄様とエステルの馬車を見送っていると、リュシオンが迎えに来てくれました。
「ラウラ姫、支度が整いました」
「ありがとう。すぐ行きますね」
城を離れ小さくなって行くエステルの一行から視線を逸らし、私はお城の中へ戻ります。
広場にはエステルを乗せた馬車より一回り小さな馬車が待っていました。
これは私が別宅へ向かう為に用意された馬車です。
私も今日お城を出ようと決めていたのです。
お兄様が一緒に王都へ行く為、帰りの道中の心配は有りませんが、エステルはとても名残惜しそうにしています。
「ラウラ、寂しくなるわ」
「私もです。でも半年後にはエステルのお嫁入りでしょう?また会えますね」
「そうね、でも半年が長く感じるわ。私すっかりアンテスが気に入ったから」
エステルはアンテスのお城と、四方の風景をぐるりと眺めながら言いました。
お兄様に連れて行ってもらった霊峰も海もとても素晴らしく、感動で言葉が出なかったと、エステルはそれは嬉しそうにお土産話で語ってくれました。
これからずっと暮らすアンテスを気に入ってくれて本当に良かった。
「エステル、お兄様、行ってらっしゃい!」
何度も振り返りながら馬車へ乗り込んだエステルを見送りました。
半年後の再会を楽しみにしながら。
しばらくその場でお兄様とエステルの馬車を見送っていると、リュシオンが迎えに来てくれました。
「ラウラ姫、支度が整いました」
「ありがとう。すぐ行きますね」
城を離れ小さくなって行くエステルの一行から視線を逸らし、私はお城の中へ戻ります。
広場にはエステルを乗せた馬車より一回り小さな馬車が待っていました。
これは私が別宅へ向かう為に用意された馬車です。
私も今日お城を出ようと決めていたのです。