クールな公爵様のゆゆしき恋情
アレク様はアンテスでの滞在中、お父様とお兄様と一緒に領内の視察へ行ったりと忙しそうにしていました。
王子としてのお仕事が有るそうです。
でもその他の時間は私と一緒に居てくれます。今日は私のお気に入りの場所である湖のお屋敷へ遊びに来たのです。
「昨日雨が降ったから道が滑りやすくなってるんだぞ? 向こうの花壇に行くのはもっと地面が乾いてからの方がいい」
アレク様は私を見下ろして言います。以前は大して変わらなかった背が、今は頭一つ分違っています。
声も少し低くなったのでしょうか? 年は一つしか違わないのに、私よりずっと大人に感じます。
再会してからそう感じる事が何度かありました。そんな時、私は少し戸惑ってしまうのです。
「あの……大丈夫。私慣れてますから!」
アレク様の制止を聞かずに進もうとした私は、注意された通りずるりと足を滑らせてしまいました。
「あっ!」
その場で転びそうになってしまった私を強い力が支えました。勿論アレク様の腕です。
「ほら、言ったそばから」
苦笑いの様な声と共に、後ろからしっかりと腰を支えられ、身体毎アレク様に引き寄せられました。
背中に感じるアレク様の胸は固く逞しく、昔、じゃれあっていた頃とは全然違いました。
私が寄りかかっても、以前の様に一緒に倒れたりはしません。
アレク様はもう大人の男の人なのです。
そう感じると、急に緊張して心臓がドキドキと忙しなく動き苦しくなりました。
なんだかとても意識してしまい、気恥ずかしくなってしまったのです。
大人しくなった私をおかしく思ったのか、アレク様の不思議そうな声がしました。
「ラウラ、どうした?」
「あ、あの……」
なんと言えば良いのか分からず困っていると、アレク様はその強い力で私の身体をグルリと反転させました。
王子としてのお仕事が有るそうです。
でもその他の時間は私と一緒に居てくれます。今日は私のお気に入りの場所である湖のお屋敷へ遊びに来たのです。
「昨日雨が降ったから道が滑りやすくなってるんだぞ? 向こうの花壇に行くのはもっと地面が乾いてからの方がいい」
アレク様は私を見下ろして言います。以前は大して変わらなかった背が、今は頭一つ分違っています。
声も少し低くなったのでしょうか? 年は一つしか違わないのに、私よりずっと大人に感じます。
再会してからそう感じる事が何度かありました。そんな時、私は少し戸惑ってしまうのです。
「あの……大丈夫。私慣れてますから!」
アレク様の制止を聞かずに進もうとした私は、注意された通りずるりと足を滑らせてしまいました。
「あっ!」
その場で転びそうになってしまった私を強い力が支えました。勿論アレク様の腕です。
「ほら、言ったそばから」
苦笑いの様な声と共に、後ろからしっかりと腰を支えられ、身体毎アレク様に引き寄せられました。
背中に感じるアレク様の胸は固く逞しく、昔、じゃれあっていた頃とは全然違いました。
私が寄りかかっても、以前の様に一緒に倒れたりはしません。
アレク様はもう大人の男の人なのです。
そう感じると、急に緊張して心臓がドキドキと忙しなく動き苦しくなりました。
なんだかとても意識してしまい、気恥ずかしくなってしまったのです。
大人しくなった私をおかしく思ったのか、アレク様の不思議そうな声がしました。
「ラウラ、どうした?」
「あ、あの……」
なんと言えば良いのか分からず困っていると、アレク様はその強い力で私の身体をグルリと反転させました。