クールな公爵様のゆゆしき恋情
一ヶ月が過ぎるのはあっと言う間でした。

今日は、お兄様とエステルの王都での結婚式の日です。

お母様とグレーテはリュシオンを護衛騎士として連れて、半月前に王都へ発ちました。今頃は王都に滞在しているお父様と合流して、結婚式に参加していると思います。

お兄様とエステルは式の後、お世話になった方達への挨拶回りなどで数日を王都のお屋敷で過ごし、それから馬車でアンテスへ戻って来るそうです。

お父様とお母様とグレーテも同じ日程で戻る予定です。

私はエステルを迎える準備と、フェルザー公爵との対面に備え、一時的に住まいをアンテスのお城へ移していました。

お屋敷と花畑の管理はトーマス達に任せて、今はお母様の居ないお城の管理と、お祝いの席の準備の監督。それから自分自身の支度などで目の回る程忙しさの中で過ごしています。

結婚祝いの席には、近隣領地の貴族やアンテス領内の名家の当主夫妻を招待している為、準備を怠る事は出来ません。

夜会やお茶会などは王都に滞在していた時から好きでは有りませんでしたが、第二王子の妃になる為社交についてもしっかりと学んで来たので、やるべき事は分かっています。

招待客のリストを確認しながら、料理長とメニューの打ち合わせをし、席の配置を決め、テーブルに飾る花を選んで行きます。

その合間に自分の支度をするのですが……
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