クールな公爵様のゆゆしき恋情
「何だよお前また泣いてたのか?」

「アレク様……だって一人ぼっちで寂しかったんだもの」

「こんな所で一人で泣いてるから余計に寂しくなるんだよ。俺が遊んでやるって言ってるだろ?」

アレク様はプクッと頬を膨らませて言います。

私が遊びの誘いを断ってばかりだから怒っているみたいです。

でもアレク様の遊びは木登りとか森に探検に行くとか、草原でかけっこするとかで、私には付いていけないのです。

「今日は西の森へ行ったんだぞ。あの森には白い虎がいるって噂なんだ」

アレク様は得意げに言います。私はとっても驚いてしまいました。

「虎なんて危ないです!」

「平気、平気。俺こう見えても剣の腕凄いんだぜ? ラウラの父上よりも強いんだからな」

「嘘です! お父様は世界一強いんだから!」

アンテスのお城の人はみんなそう言っています。今住んでる屋敷の人達も言ってました。

必死な私を見てアレク様は困ってしまった様です。

「悪かったよ!ラウラの父上が一番強いよ。だって国を守る辺境伯様だもんな、父上も頼りにしてるって言ってたしな」

「本当ですか?!」

アレク様のお父様は国王陛下だそうです。お父様は国王様に褒められたって事ですよね。凄いです!

ニコニコする私の頭をアレク様はガシガシと撫でました。
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