好きな姿
もう、
すっかり日も暮れた。
あたりは真っ暗。
息が切れる程に走って、私が今いるのは――…
『―――雪…?』
彼方の家の前。
背中から聞こえる、愛しい声。
大きく深呼吸をして、今までで一番、大きな声で…叫んだ。
『―――彼方!今までゴメンなさい!嫌いになっちゃったかもしれないけど、私…どうしても言いたくて…』
『――髪の毛…』
驚いた顔をして、私の髪を指差す。
『あ、あの…』
『マニキュアは…?つかアクセは?化粧は?!』
質問攻めに、何から答えていいか分からなくなった。
黒髪
素っぴん
アクセも全部外して、
マニキュアも落として。
『付き合いたて…の私で、もう一度告白したかったの…!』
『――え…』