好きな姿
『見た目ばっかり気にして…私、本当にかわいくなかった…。けど、私は彼方が好きだから…。』
だから――…
私バカで、気付くの遅かったせいで…嫌われちゃったかもしれないけど…。
『…受け取って…下さい。』
私が差し出した物は、
『え?これって…』
しおりを挟んだ詩集。
挟んだページは、さっき、私が読んだページ。
パラッと、紙を捲る音がする。
少しの沈黙の後。
『――…俺ね、そのままの雪が好き。今みたいに…』
えっ?と顔を上げた私の前には、超ドアップの彼方の顔。
『でも、俺のためにオシャレしてくれてんの分かってたから……あんな言い方しかできなかった。ゴメンな?』
なんで、
なんで彼方が謝るの?