好きな姿



少しずつ可愛げをなくしていた自分。


変わっていく私を見て彼方の顔は、曇った笑顔に変わっていた。


私、間違えてたかな。



カバンに視線を落とした私の目に映ったのは―…


告白された日に読んでいた詩集。

冷たくなった本は、まるで私と同調したかのようで。


最後に開いたのは、
いつだったんだろう。




手にとり、眺める。


パラッ――…


懐かしい紙の香りに包まれた。

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