エメラルド・エンゲージ〜罪の葉陰〜
「あんなウソにだまされてノコノコ男の部屋までついてくるなんて、バカなガキだな。
成長したのはカラダだけってか?」
大きな手が、服の上から私の胸をつかんだ。
彼の言葉と行動に、私は声も上げられずただ目を見開いた。
全部ウソ?なんで?
何のためにそんな……!
(私をだまして、部屋に連れ込んで……なんで、どうして……?)
どうするつもりで、なんて、こうなればもうわかりきったことなのに、信じられなくて―――信じたくなくて、私は何度も「どうして」とくり返す。
「いやあホント、会えて嬉しいぜ、リイナ。
偶然に感謝しなきゃだな、俺もちょうどお前に会いてぇなァと思ってた所だったからよ」
呆然とする私にニヤニヤと顔を近づけ、アラキさんが言う。
「こっち来てからロクな女運なくて、最近ご無沙汰なんだよ。
つーかそもそも、ミズホよりイイオンナなんてそうそういやしねえ。
―――なあ、何で俺がミズホに振られたあげく花街から追い出されるはめになったのか、わかるか?」
振られた……追い出された……?
なにそれ、どういう……?
「元はといえば、全部お前のせいだよ。リイナ」