エメラルド・エンゲージ〜罪の葉陰〜

私は思わず足を止めた。


そこには、真珠のように美しい少女が横たわっていた。

光を帯びたような白い肌。

閉じられたまぶたのふちを飾る長いまつげ、すっと通った鼻筋に、愛らしい形のくちびる。

シーツの上に広がる栗色の長い髪はつややかで、先端に向かってふわりと優雅にカールしている。

二年も意識がなく寝たきりでいるとは思えないほど衰えのない姿で、彼女はそこに眠っていた。

けれど、私が驚いたのはそんなことではなかった。

(これが、マジュ……!?)


点滴を繋がれた腕の、スラリとした長さ。

白いネグリジェの胸元のふくらみ、上がけの上からでもわかる、女性的な身体のライン―――


そこにいたのは、私が想像していたような幼い少女ではなかった。

どうみても10代後半にはなるだろう少女―――私より少し年上の、17、8歳といったところだろうか。

この人が……ハルヒコ様の娘?

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