溺愛〜ラビリンス〜
黒田 爽side
渉から指示を受け、親衛隊の奴等を7人連れて学校へ向かった。
まったく翔真は相変わらずユズユズの事になると心配症だな…
なんて向かう時は軽く考えていた。まさかこれが混乱の幕開けだなんて知らずに。
学校には急いだが20分位かかった。
着いてすぐ下の奴等にユズユズを探す様に指示を出した。
俺はその足でユズユズの教室へ向かった。教室には誰も居なくて中に入って見るとユズユズの鞄があった。
まだ校内に居る。廊下に出て下駄箱を確認すると、ローファーがあり上履きがなかった。
しらみ潰しに下の奴等に校内を探させ、30分以上経ってもユズユズが見つからない。
「間違いないのか?」
低い声で下の奴等に確認する。
「はい。」
青木が答える。
「全員で校内全て見ました。この時間なので人が少ないから女子トイレも確認しました。」
報告にかなり焦る。どう言う事だ? 靴があるのに居ないってそれじゃ拉致られたって事?
俺はすぐに渉に電話した。渉に状況を報告すると珍しく焦っていた。
その雰囲気にますます不味い事になっている事を感じる。報告を終え一旦電話を切る。翔真からすぐに指示が出るだろう…