溺愛〜ラビリンス〜

第1小隊長の小田と第2小隊長の笠原に電話して、白王子の周辺の調査と場合によって本人に聞き込みを指示した。

指示を出し終えた所で残っていた生徒に聞き込みをしていた太田が駆けてこちらに来た。


「爽さん!」


かなり慌てている。


「どうした?」


「放課後、白王子が裏門から姫を抱えて車に乗り込むのを見た生徒がいます。」


「ハッ?!」


それってやっぱり拉致か? あの男がそんな大それた事するとは…


「間違いないのか?」


「複数の生徒が見ています。間違いないと思います。」


「分かった。」


俺はすぐ渉に電話した。
電話に出た渉はかなり焦った様子だった。


「もしもし?渉?」


『あぁ…何か分かったか?』


「うん。あのさ…白王子が裏門からユズユズを車に乗せるの見た生徒がいた。」


『ッツ…』


渉が息を飲むのが聞こえた。


「…どうする?」


俺がこの後の指示を仰ぐと


『こちらでも鷹宮の行方を探すけど、爽達も鷹宮探してくれ。気づかれない様に慎重に!』


「了解!」


電話を切ってすぐ笠原に電話をし、慎重に調べる様に指示する。俺達学校組も笠原達に合流する為学校を後にした。




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