溺愛〜ラビリンス〜

散々暴れ、今は兎に角柚の行方を探さなければと荒れ狂う気持ちを落ち着けた。


いつの間にか鈴原は居なくなっていた。
俺は龍也に電話し、柚の情報を集める様指示して大輝にはその間に車の準備をさせた。


冷静にならねぇと…そう思っても感情が爆発しそうでどうにもならない。


翔真に会って冷静でいられるか?わかんねぇ…
自分の気持ちに動揺しながら急いで大輝とマンションを出てブラックホークスの倉庫へ向かった。





車を走らせ車窓からいつもの街並みを見る。途中街中を通るといつもより騒がしい。
ブラックホークスが総出で姫を探しているからか…





倉庫に着くと、街中とは逆に静まりかえり人気がない。


「みんな出払ってるみたいだね…」


大輝が面白そうに言う。

「あぁ…」


だが翔真はいるだろ。多分渉も…


倉庫のドアを開け中へ入る。階段を上がり、幹部室と思われるドアの前に立つ。俺がこの倉庫に足を踏み入れる日が来るとはな…そんな事を思いながらドアを開けた。


ドアを開けると思った通り翔真と渉が居た。
驚いた顔で俺を見る渉。無表情で俺を睨み付ける翔真。




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