溺愛〜ラビリンス〜
三浦 翔真side
悠斗が倉庫に来た。
コイツはチームに入る事を断り、絶対に自分からうちのチームに近づく事はなかった。
それが此処に来たって事は柚の為だろう…
幹部室に乱入して来た悠斗を睨み付けて様子を伺えば、悠斗は部屋の中に足を踏み入れる。
「柚が居ないってどういう事だ?」
低い声で詰め寄る悠斗の問いに答えたのは渉だった。
説明する渉を無視し俺に向かって怒鳴る。
「お前何やってんだよ!あの時柚の事絶対守るって言ったのは嘘だったのかよ!」
そんな事言われなくてもずっとそう思って守ってきたんだよ!俺のイライラが増し、俺も低い声で悠斗に言い返す。
「何故此処に来た?此処はお前が来る場所じゃねぇだろ?」
「ふざけんな!柚が居なくなったのにほっとけるかよ!」
悠斗もイライラして完全に頭に血が昇っている様だ。
そんな俺達を見て渉が仲裁に入る。
「悠斗、翔真も冷静な訳じゃないんだ。お前達二人共目的は一緒なんだから今は争うな。翔真、柚ちゃんが見つかるまで悠斗と休戦しよう。早く柚ちゃんを見つけないと本当にまずいよ。」