溺愛〜ラビリンス〜
薬を使って無理矢理レイプしたのか?柚の気持ちを想像すると怒りが頂点に達する。鷹宮を半殺しにしても飽きたらない怒りを爆発させようとしたが、俺より先に悠斗が鷹宮に殴りかかった。ぶっ飛んだ鷹宮は俺の気持ちを逆撫でするようなセリフを吐く。
「柚ちゃんはこれで僕のものだ。キングにも悠斗にも渡さない!」
柚を傷つけておいて何を言ってやがる。一々気持ちを逆撫でしやがる。
悠斗もそのセリフに逆上したようで、鷹宮に馬乗りになり激しく殴り続けていた。
「行くぞ」
ここは悠斗に預けるか……今は鷹宮の裁きより柚を探す方が先だ。
「翔真、鷹宮をこのままにしていいのか?」
歩き出した俺に渉が聞いてきた。
「今は柚の行方が優先だ。それに…昔の借りが悠斗にはあるからな…此処は、悠斗に譲る。」
「…そうか…」
渉はそれだけしか言わなかった。
「凌、お前は此処に残ってくれ。後から健人を寄越す。渉、特攻以外は柚の行方を探す。」
指示を出せば渉が各幹部にメールを送信した。
メールを終え、俺と渉は急いで部屋を後にした。