溺愛〜ラビリンス〜
鈴原 健人 side
坂本のマンションを後にした後、俺は別行動していた特攻の下の奴等の元へと向かった。
第一小隊長の沢田はユズ姫の親友の上森の、第二小隊長の吉井は同じく親友の立花の所に聞き込みに行っていた。
さっき小隊長二人に電話して中間地点で落ち合う事になった。
既に渉から鷹宮が黒らしい事を聞いていたから特攻は次の指示が出るまで動く必用ないだろう。
そんな事を考えながら待ち合わせ場所の公園に着く。
「鈴原さんお疲れ様です。」
既に吉井は公園に着いていた。
「あぁお疲れ。」
「はい…」
「で王龍の姫はどうだった?」
「すみません…それが王龍のガードが固くて話しが思う様に聞けませんでした。」
すまなそうに話す吉井。
「そうか…仕方ないな…気にするな。」
「でも…」
納得いかない様子の吉井に説明をしてやる。
「鷹宮が連れ去ったって証言が出てきた。だからこっちは恐らくハズレだ。」
と教えればホッとした様になる。
「そうですか…」
と吉井が言いかけた時、バイクの音が聞こえ沢田が公園に入って来た。