溺愛〜ラビリンス〜
鷹宮の部屋のドアを開けると静まり返る部屋に足を踏み入れた。
部屋の中には凌と坂本、そして殴られて傷だらけの鷹宮が居た。
「健人。」
凌が声をかけてくるが、俺は寝室に入り鷹宮を見るなり睨み付けた。
「本当なのか?ユズ姫がレイプされたって?」
そう凌に聞きながらベッドを見て息を飲む。乱れたシーツに出血の跡があり、ユズ姫がレイプされたのは紛れもない事実だと知らせていた。
俺は力なく呟いた。
「マジかよ…」
「坂本…もうお前の制裁は済んだか?済んだならうちチームでコイツを預かりたい。」
凌が坂本に話しかける。
「いや…コイツはうちの組で預かる。」
答える坂本は急に気がついたのか聞いてくる。
「翔真は?」
「ユズ姫が見つかってないからな…うちのチームとしては何も解決してない。ユズ姫を探してるんだよ。」
凌の返事に表情が変わる。
「柚の行方は分かってるのか?」
「今総力を上げて探してる。」
凌が冷静な声で言った。
「翔真に伝えてくれ。こちらでも柚を探す。情報はそっちにも流すから、お前等も何か分かったら教えろ。」