溺愛〜ラビリンス〜
「それでも…ユズ姫を傷つけていい事にはならない。」
凌が俺が思っていた事と同じ事を言った。
「お前がやった事はさぁ…好きな女を傷つけて嫌われたって事だ。分かるか?ユズ姫はもうお前に笑顔を見せる事はない。お前が近くにくる事も嫌がるかもな…」
俺がそう言うと鷹宮は戸惑った顔をして
「…それは…」
と言ったきり口をきかなくなってしまった。様子を見ると、初めて状況を理解してショックを受けている様だった。
お前よりユズ姫の方がもっとショック受けてんだよ! 俺は心の中で舌打ちした。
「きっかけは分かった…でもチームとして、姫にした仕打ちを見逃す事はできない。どうするかは最終的に翔真が決めるがそれに従ってもらう。
」
凌は心なしか冷たい響きの声で言った。
「翔真と話す時まで自分のした事よく考えて…どんな判決を言い渡されてもいい様に覚悟しておくんだね。」
それだけ言うと凌は部屋から出て行ってしまった。
部屋には鷹宮と俺の二人だけ…
「ハァ…お前バカだよな。あれだけユズ姫に信頼されていたのに…」
「小学校に入学した頃からずっとだ…ずっと好きだったんだ。諦めたり止めたりできる想いじゃないんだ…」