溺愛〜ラビリンス〜
ブラックホークスの姫
三浦 翔真 side
俺には2つ下の妹がいる。
柚姫は小さい頃から人形の様に整った美しい顔をしていて、仕草や表情も愛らしく天使の様な女の子だった。
だから当然、周りのガキ共がチョッカイを出したり、親や俺が目を離すと変な大人に連れ去られそうになった事が何回もあった。
母さんは心配するようになり俺に柚の事を頼むようになる。
「お兄ちゃん、柚姫の事面倒見てね。」とか
「守ってあげてね。」と
いつも口癖の様に言っていた。
まぁ、母さんに言われなくても柚の事は俺が守るつもりだったが、母さんもそれだけ心配だったのだろう。
そのお陰で俺が柚にどんなにかまっても、溺愛しても母さんは何も怪しまず
「お兄ちゃん頼むわね。」
と安心した様に頼んでくるのが常だった。
柚は少し天然な所があり、人と感覚やテンポがズレている事がある。
まぁそこが可愛いのだが、人を疑う事を余りしないので俺の心配は尽きない。
出来るだけ側に置いておくのが安全だし安心だったので俺がいるチーム、ブラックホークスの姫にした。